適塾


大阪は戦時中に空襲にあったにもかかわらず

明治から昭和初期までの建物が残っています。

中之島周辺には江戸末期から明治初期かけて

名の知れた人々が闊歩していたようです。





昨年の連ドラ「あさが来た」で

ディーンフジオカ演ずる五代友厚が脚光を浴びました。

モダンな旧ビルと最新ビルの融合した大阪証券取引所があり

五代友厚の大きな銅像がかまえています。


大きな近代ビルの中

ポツンと木造の建物があります。

福沢諭吉大村益次郎らを輩出した

緒方洪庵創始の蘭学塾「適塾」です。


司馬遼太郎さんの小説が好きなので

たびたび「適塾」を舞台に書かれていたこともあって

立ち寄ることにしました。



広い畳部屋に蘭学生たちが

ちいさな机をならべ正座をしながら学ぶ姿がドラマで描かれているので

そういったイメージがあります。


正直、「適塾」はなくなっているだろうと思っていたのですが

こんな高層ビル街に残っているなんて知らず、驚きました。



中之島から橋をわたり南へ歩きます。

大きなビルがあるものの、

懐かしめの看板やお店が残っている場所で路地を曲がると

そこだけ和風の旧家がありました。






家そのものが博物館になっている様子。

入り口の下駄箱に靴を入れて中へあがりこみます。

なんとなく田舎の里帰りした感じ。


適塾」はやがて大阪大学へとなったことから

現在も大学が管理されているそうです。

中に入ると普通の旧家と変わらず、

土間には炊事の釜もあって

塾生たちもここで食事をしたのかと思うと感慨深い。




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各場所に資料などが展示してあります。

狭くていびつな階段をあがると

広い畳部屋があります。


ドラマに出てくる塾生の学び部屋がこの部屋のようです。


教科書にも載っている有名な「解体新書」も展示されていて少し感激。

「解体新書」のサイズは意外と小さくて厚みも薄い。


幕末で描かれている場所がここだと今ひとつピンときませんが

歴史を感じるのにはとても良い場所でした。