隠し剣 鬼の爪



最近、DVDで山田洋次監督の『隠し剣 鬼の爪』を観ました。

アカデミー外国語映画賞にノミネートされた『たそがれ清兵衛』が

とても良い作品でしたので次の『鬼の爪』も早く観たかったのですが

なかなか機会がなくやっと実現しました。


江戸時代を切り取ったような映像と緻密な人間描写がさすが山田洋次監督。

原作の藤沢周平さんのさわやかな読後感を

そのまま映画にしたようなとても良い作品でした。


個人的にいえば『鬼の爪』のほうが好きかもしれません。

前回のたそがれ清兵衛真田広之さんが

顔が整いすぎて貧乏侍に見えなかったこともあり

主役の永瀬正敏さんが江戸の頃の侍のようで好きです。


決闘での殺陣は本当に真剣で斬りあっているようで

迫力とリアリズムがあり、

秘剣の「鬼の爪」を使うシーンのさらりとした演出が最高でした。


故黒澤監督以降、面白い時代劇は二度と出ないかと思っていましたが

最近、しっかりとした時代劇の映画も増えて

良作がたくさん出てきてうれしいかぎりです。

ひきつづき「武士の一分」も観ようかと思っています。


また、故黒澤監督があたためていた企画を映画化した『雨あがる』も

とても気にいって何度も観ている作品なのですが

まだ観られていない方にはおすすめです。