サプール


土の上に出店が並び、

カラフルな果物や野菜、現地産の食肉などを

陽気な声で売りさばく

裕福ではないけれど素朴な風景。

テレビの旅番組で見かける

アフリカをイメージする市場がここにある。

やがてその場に似つかわしくない連中が闊歩し始めた。

カラフルな色合いのブランドのスーツを着た紳士達。





「サプール」というのをご存知ですか?

フランス統治下にあった頃、

フランス人のファッションに憧れてできたファッション「サップ」。

そのファッションを楽しむ人たちのことを

「サプール」と呼んでいます。




彼らはコンゴの富裕層? と思ってしまいますが

違います。

休日などの特別な日を除けば

3割の人が1日の生活費130円という貧困な人たち。


最高に自分を着飾り、街をステップ踏んで歩く。


彼らの着ている服は名だたるブランド品。

月給5ヶ月分もする服はどうやって手にいれるのか?

生活費を工面して買うのです。

人によっては収入の4割をつぎ込む人もいるとか。


世界一の見栄っ張りとも言われますが

別の意味もあるのです。

彼らが闊歩するのは主に教会へ参拝に行く時。

内戦などで人々が武器をもって血がたくさん流れました。

彼らは言う。

「武器を捨て、エレガントな装いをしよう」

彼らのファッションは平和へのメッセージでもあるのです。





私が最初に見た時、

アフリカの貧しい街並を歩く

エレガントなファッションを着た男達に驚き、

新鮮さを感じました。


そして、彼らの持つポリシーに共感して

ますます好きになりました。