ジャニスジョップリン


しゃがれた声で絞り出すようにブルースを歌う女性がいた。

ジャニスジョップリン。
1960年代を代表するスターであり
ローリング・スートン誌が選ぶ「歴史上最も偉大なシンガー」28位。

アメリカ合衆国 テキサス州 5人家族の長女として生まれた。
子供の頃からブルースを聴く一方、聖歌隊にも参加していました。

家族おもいで、知的でシャイな性格。
けれど、スターとして華々しい姿とはほど遠く
どちらかというと容姿には恵まれていません。

学生時代に孤立したり、自分の容姿にコンプレックスで悩んだりと
繊細で傷つき易い女性だったようです。

大学をドロップアウトしてサンフランシスコに向かい
フォークシンガーとして生計をたてる日々が続きました。
その頃、薬物に染まってしまったようです。

時代はヒッピームーブメントの時代。
ベトナム戦争が泥沼化したことによる
平和運動として自然回帰という文化的運動です。
自然素材で作ったファッションや
サイケデリックな音楽や絵が世の中を飾りました。
一方で薬物の乱用も広がります。
当時のアーティストに薬物に溺れる人がたくさんいました。

諸説ありますが
皮肉にもベトナム戦争で闘うことを恐れないように
兵士に高揚感を与える薬物をくばったことから
今まで薬物に無縁だった若者に広がってしまったようです。





彼女の歌声はヒッピーの間で目立つ存在でした。
やがて「ビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニー」
というバンドに参加。
メジャーデビューしました。
当初は不遇でしたが
やがて彼女の生々しくシャウトする歌声が注目を浴びるようになります。

新しいバンドを組んで
歴史上もっとも有名な野外ライブ「ウッドストック」に参加。
バンドはすぐ解散したものの
「コズミック・ブルースをうたう」「パール」と
立て続けにアルバムを発表。

時代が生んだ歌姫が誕生しました。



私が昔描いたジャニスの絵^^;



彼女の歌には孤独や疎外感があり
それを振り絞るように歌い上げる。
けれど、どこか希望のような願いもあります。

1970年 ヘロインの摂取量をこえて使ったことによって
モーテルのベッドで亡くなっているのが発見されました。
享年27歳。

彼女の歌は現在でもCMに使われて
聴いたことがあるかもしれません。

彼女の名曲の中で私は「コズミックブルース」という曲が好きです。
若い頃、いろんなことで落ち込んでいる時に
この曲に想いを乗せながら
拳を握っていたものです。

悲しみや苦しみの中にどこか希望があるのです。