鴨居 玲(かもい れい)


鴨居 玲(かもい れい)という画家をご存知でしょうか。

1928年に生まれ1985年に57歳で亡くなるまで

自分の魂を削りながら描き続けました。


鴨居 玲を知ったのは私がまだ社会人になった頃。

仕事の相方に

「スゴい画家がいる」

と教えて貰ったのがきっかけです。





晩年、神戸を居を構えたこともあり

相棒の地元とあって知る事になったらしい。


亡くなって数年後、

姫路市立美術館で回顧展が開かれた時に

絵を観にいきました。


ご本人は俳優になってもおかしくない端正な顔立ち。

ともすれば、明るいスポットライトを浴びる人生を浴びそうな印象ですが

それとはまるで逆の人生。







絵は重く、孤独を感じます。

レンブランドという光と影の強いコントラストを描くのに似たものを感じます。


題材は街の光のあたらない所に居る男や

ピエロなどが多い。

赤い背景にのけぞるようにコチラを睨むピエロを描いた

「ピエロ」1983年作は

強烈な印象です。






自画像もたくさん描かれています。

自分の顔を仮面をはずすように描かれた「肖像」1985年作

も強烈なインパクトを感じます。





好き嫌いが分かれる作家かもしれません。


今までたくさんの画家の絵を観にいきましたが

観賞後、ひどく疲れたのはこの時が最初で最後かもしれません。


便利だけど気薄になった人間関係の今の中。

鴨居 玲の描く世界がより見直され

評価が高まるような気がします。