歴史街道 比叡山へ その2


坂本ケーブルは、比叡山の東側を登頂します。

昭和2年に創設。

福号と縁号の2台で、2025mの距離を11分かけてお客を山頂へ運びます。

のぼりに乗ったのは「福号」。



初詣のお客で車内は満員です。

ゆっくりと、動いて山頂を目指します。



少し長めのトンネルを抜けると

高い木々が線路をはさみ、森の中をすすむような気持ちになります。



中盤位置になると、一車線から二車線へ変わります。

ここで、福号と縁号が上りと下りですれちがうのです。



ケーブルはやがて、中盤にさしかかると

眼下に琵琶湖と湖畔の街並が広がります。

晴天のおかげで、対岸まで見る事が出来ました。



ケーブル車は、窓を大きくとってくれているので

景色が広くみえて、うれしい。


終点に近くなってくると、線路や周りの木々に雪がちらほら。


ケーブル延暦寺に到着。

駅から出ると、雪は降っていませんが足下は雪が積もっています。

少し前まで、雪が降っていたのかもしれません。

日も照っていて、私の晴れ男は健在。

道が二手に分かれています。

一方は延暦寺、もう一方は無動寺参道。

それほど時間がかからなそうなので

無動寺参道方面を先行することにします。



入り口には鳥居。

神妙な心がまえでくぐり、山道を下り始めます。

細い山道は、砂利と雪で足下が危うい。

時々、人とすれ違うくらいで

誰も歩いていません。

しかも、息があがるほどの山道。

目的地らしきものも、見えません。


そうこうするうちに、雲が低くなり薄暗くなってきました。

パラリと雪が落ちたかな?とおもっていたら

シンシンと本格的な雪となってきました。

気軽に入った参道が、いつのまにか雪山修行のようになってきました。


道をまたぐように鳥居があり

りっぱなご神木も見かけます。

とても寒いのですが、

気持ちがひきしまってきます。



途中、石作り龍の口から

湧き水が溢れ出てる場所にでました。


ちょっとした、休憩場所があったので

一休みしながら持参したおはぎを頂きます。

はりぼての小屋から、シンシンと雪が降る。

何気ない風景ですが、ちょっと感動。

江戸時代はこんな感じで旅をしていたんだろうなと思いました。


休憩後、少し元気が出て

雪の中をすすんでいくと、お寺が見えてきました。



石段を上がり、寺周辺をまわっていると

若いお坊さんが、袈裟の姿で寺から出てきました。

雪と寺とお坊さん。絵になります。

明王堂と薩摩堂。

中からお経が聞こえてきます。



少し道を戻ると「巳成金」という大祭が行われる弁天堂があります。

大きな建物はなく、鳥居の階段を降りていきます。

白蛇出現の霊地といわれているそうです。


結局、目をひくような場所ではありませんでしたが

雪道を歩きながら、おごそかな気持ちになれてよかったです。


ケーブルの駅までの戻り道は、意外と早かったので

こんなに近かったかな?と拍子抜けしました。


いよいよ延暦寺へ向かいます。