京都 長楽館


しだれ桜で有名な京都にある円山公園

公園に訪れた時にいつも気になっている洋館があります。

明治や大正時代に舞踏会でも開かれそうな雰囲気。



門には長楽館と表札があり

結婚式場か何かかな? と思っていました。

京都のプレイスポットを紹介する本に、

昔ながらの内装そのままに、喫茶できると紹介されていました。

これは行ってみるべきかなと機会を伺っていたところ

チャンス到来、ランチを入ってみることにしました。



門から20mほどの所にある建物。

なかなか敷居が高い。

彫刻をほどこした石の柱に、

アーチ型の入り口の分厚いドアを開けると

「いらっしゃいませ」

と気品漂う紳士がお出迎え。



まるで大金持ちのお屋敷のお宅に招かれた感じです。

紳士にランチを食べたいと申し出ると

二階の部屋に誘導されます。

天井が高く、赤絨毯。

歴史を感じる内装です。

江戸川乱歩の映画に出てきそう。



10畳ほどの個室にテーブルが4つほどある部屋に入りました。

入り口のドアはステンドクラス、

内装は中国のお金持ちの部屋のよう。



古い椅子や大きな鏡のある調度品、

おもわず、注文を忘れて部屋を見渡してしまいました。

中国の武人の古い人形も目を見張ります。



さて、ランチを何にしようかとメニューを見ると

京野菜のカレーが美味しそうなので

食後のアイスコーヒーと共に注文しました。



ここは、1階はレストラン、2階は喫茶室、

3階は結婚式の披露宴会場、そしてレディースホテルになっているようです。

ちょうど当日、結婚式の披露宴が行なわれるらしく

スタッフも慌ただしい。

食事の途中で披露宴が始まるので

個室の部屋のドアを閉めますと告げられました。

客層は意外にもサラリーマン風の若い人や

中年のご夫人達などそれほどかたい雰囲気ではありません。


長楽館は、明治時代の実業家で「煙草王」と称された

村井吉兵衛の京都別邸として建設されたそうです。

外観はルネッサンス様式を基調にしていて、

室内の意匠は各部屋ごとに異なる様式になっていて、

家具も当時のものがそのまま残されているそうです。

神戸の異人館の中にいる感じ。


カレーが運ばれてきました。

京野菜は煮込まず素揚げ、カレールーをお好みでかけます。



「! めちゃくちゃ美味しい」

京野菜の味の濃いこと、素揚げにしたことで旨味が凝縮されています。

なすやかぼちゃの美味しいこと、時価ものかもしれません。

カレーもコクのある大人な味わい。

過去食べたカレーでトップです。



食後のアイスコーヒーのトレーもレトロな感じ。


この付近に来た時はかならずここでカレーを食べることを

テラスが見える窓から景色を見ながら誓ったのでした。