鉄子の旅


ものすごいスピードで変化していく現代。

年を追うごとにそのスピードは早まってきているような気がします。

そういう世の中で驚くような事を成し遂げた人がいます。

JR・私鉄9843全駅全てを乗下車した横見浩彦氏。

その人を旅先案内人として

作者自ら同行して描きあげたノンフィション漫画

鉄子の旅」をご紹介します。


最近のテレビで電車のマニア的な番組が増えてきている気がします。

電車で旅する企画も多いですね。

電車のブームの火付け役がこの漫画だと言われています。

テレビで何度か紹介されているので

すでにご存知の方もおられるとおもいます。

鉄道にはまったくの無縁だった女性漫画家が

駅弁が食べれるという言葉に騙され(?)

編集者と共に旅先案内人の横見浩彦氏の無謀な電車旅に

同行していきます。


電車による旅なのですが生半可なものではありません。

横見氏の独特の美学に基づいた

乗車計画を有無も言わせず同行させられます。

横見氏の強烈な個性と異常なまでの鉄道愛は

いろんな関係者を巻き込み

特に鉄道には興味なかった人や

鉄道マニアなのにあえて公表していなかった人に

火をつけて鉄道ブームになったようです。




漫画は主人公である作者の一歩引いたクールな視点と

横見氏の暴走的会話のやりとりをコミカルに展開しています。

鉄道漫画なので鉄道に目がいきがちですが

丁寧に描かれた風景や鉄道など構成がよく、

単調になりがちなドキュメントを読みやすく描いています。

強烈な旅に参加しつつ、漫画を描くこと5年。

なかなか出来ることではないです。


正直、鉄道には興味はわきませんが

秘境の無人駅には行ってみたいと感じました。

でも旅行ではなく旅は若い頃じゃないとできません。

時間をたっぷり使うというのは今の時代

一番の贅沢かもしれません。