情念ソング



歌は時代の映し鏡と言われています。

亡くなれたマイケル ジャクソンさんは音楽業界を革命的にかえたスーパースター。

彼が踊って唄うエンターテーメントを

一気に広げたといっても過言ではありません。



現代の世界のPOPアイドルがマイケルの影響を受けています。

ノリノリで明るく元気にって感じ。

世界同時不況で気持ちが沈んでいる時は

何もかも忘れて歌で元気になるという当然の流れかもしれません。



春先になると

「桜」の歌やウキウキするようなさわやかな歌が聴きたくなる方も多いでしょう。








でも私は違います。

明るいポップな曲と正反対の

私の好きな救いのない情念ソングに上げられるのが「山崎ハコ」の歌。

この名を見ると深夜ラジオを聴いて思春期を過ごされた方にはピンとくるはず。


70年代にさっそうと現れたフォークソング歌手で

透き通るパワフルな声なのに

心をえぐる暗くて切ない曲を歌うのが持ち味の女性です。



中でも「コンコーンコンコーン釘をさす〜」という唄い出しで始まる「呪い」という曲。

今頃の時期の深夜ラジオで必ずといってこの曲が流れていました。


「望郷」「鉄線子守唄」など系統的に暗い曲が多いのですが

聴きこんでみると歌詞がドラマチックで昔多かった日本映画のよう。

ドライな世の中になってほとんど表舞台にでなくなった

日本古来の陰の情緒がここにあります。

「きょうだい心中」という曲なんか詩の内容といい

救い無さといいある意味名曲。









もうひとりご紹介したいのが「浅川マキ」の曲。

日本語で唄うブルースなのでジトッというよりサバサバした感じです。

あの寺山修二さんがみいだしました。


こちらの魅力は退廃した空気感。

長い黒髪のおかっぱに黒服、独特の声色はけっこうインパクトがあります。








一押し曲は「朝日楼(朝日のあたる家)」。

この曲は60年代、ビートルズとともに人気のあったアニマルズが

「朝日のあたる家」を大ヒット曲と原曲は同じ。


朝日楼と邦題がついているのは

原曲はアメリカ民謡なのですが

原曲の詩をもとに日本語で作詞(作詩)しなおしているから。


「朝日楼(朝日のあたる家)」について調べてみると

喝采」などで有名なちあきなおみさんが同曲で唄っているのを発見。

聴いてみるとまたこれがいい感じなのです。


あー、暗いけどドラマチック。