伊藤若冲


美術館へ出向くことが時よりあります。

西洋画家のことはなんとなく有名で

特徴のある絵であれば絵と作者は一致しやすい。


けれど、日本画となればどうでしょう?

浮世絵の北斎歌麿はなんとなくわかります。

日本画を見せられてこれは誰の作?と

問われると唸る人が多いのではないでしょうか。


恥ずかしながら、私自身、近年でやっとわかってきました。

日本画を各地で鑑賞し

同じように見えても実は大きく違うことがわかります。

日本画がわかりにくいのは

花鳥風月といった

題材が似通っているからかもしれません。





そんな中、

伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)という絵師が脚光を浴びています。

生誕300年ということで

昨年あたりから展示会やテレビ番組での特集を組まれています。

江戸時代中期の京都を中心に活躍された絵師。

青物問屋の長男でしたが跡を継がず絵師を目指しました。


彼は日本のダビンチと思われるほどの絵に関しては天才です。

様々な題材を活き活きとリアルに描いたと思えば

幻想的で奇抜な世界も描いています。

特質すべきことは

300年も経過したにもかかわらず、

色が鮮やかです。






修行時代、いろいろ影響をうけた相国寺が京都にあります。

そこの敷地内の美術館で伊藤若冲の作品が展示されています。

鶏を描くのを好んでいて

そこに存在するかのような描写が素晴らしい。

緻密なデッサンでとてもリアルです。


そんな伊藤若冲ですが

現在の私たちから見たら?マークが付きそうな絵も

残されています。

たとえば虎。







まるで大きな猫のような絵です。

そう、当時の日本には虎は存在しないので

書物や話から想像して描いたものです。

虎の他にも鯨や象も想像で描いています。

でも、リアルではありませんが

個性的で印象のある絵になっています。










画材は最先端のものをいち早く取り入れ

自分の絵に取込んでいます。

当時日本になかった濃いブルー「コバルトブルー」を

長崎の出島で購入していたらしい。

ものすごく高価だったものを惜しげも無く使っています。


どうやって描いたのか

謎も多くより魅力的な絵師として語り継がれていくはずです。


現在、京都市美術館で展示が行われています。

芸術の秋、伊藤若冲を堪能されてみては?