2010年木曽路を行く 妻籠編 その2


田んぼを抜け、トンネルのような路地を抜けると
別世界が広がります。


「ここは江戸時代?」
雨上がりに濡れた中山道の両側には
古い旅籠や店が続いています。


よく古い町並が残された観光名所がありますが
古そうに見えてもどこか作られた人工的な所だったり
現在のビルなどのせいで景観を損なっていることが多い。


経済成長により
伝統的な町並みがなくなっていくことを危惧し
景観保全活動に取り組んだことへの評価され
妻後宿は国の重要伝統的建築物群保護地区として
日本で始めて認定されたそうです。



昔ながらの生活がそのまま息づいているので
とても自然なのが魅力です。


お店ののれんも年季が入っていて
良い感じの渋さ。
 

山から流れる水で木製の水車が回っています。
水車小屋の鍵も木製で
草花が絡んでいて自然に溶け込んでいます。
 

旅籠の格子戸に
朝顔のつるが延びて絡まり
紫の花を咲かせた姿と
吊られた屋号のちょうちんの様子が
一枚の日本画のよう。

一角だけ草しか生えてにない空間があります。
旅人の監視をしていた口留番所跡です。
 

大きな岩に苔や草木が絡み合い
大きな盆栽のような景観が目に入りました。
木曽路名所絵図にその絵が載っている「鯉岩」。
中山道の3大石と有名でしたが
濃海大地震のため形が変わってしまったそうです。



 

「熊谷家住宅」という昔の長屋の家内を見学できます。
家内はガランとしているものの
いろりや石臼など生活に使われたものが展示されていて
当時の生活がなんとなくわかります。
 


 

少し下ると妻籠宿の「本陣」があります。
代々島崎氏が勤めていましたが
明治の頃、当主が東京へ出てしまったことから
建物は取り潰されてしまいました。
しばらく、跡地は他のことで使用されていましたが
平成7年に江戸時代後期の間取り図をもとに復原されました。
  


入り口の「妻籠宿本陣」という門の横には
宿場の第一の仕事として、
公用の人馬を提供していた
「人馬会所(問屋場)」があります。
  

門から一歩入ると
玄関まで少し距離があり
石垣の上に建つ建物を見渡せます。
    

畳敷きの広い家内は圧巻です。
各部屋には資料も展示。
なんと、湯殿(お風呂)と雪隠(厠)が2ヶ所あります。
当主だった島崎家ゆかりの品々も展示されています。


「次回 庶民の味の巻」