2015年 パワースポット鞍馬 その2


鞍馬寺の仁王門前に到着しました。

出迎えてくれたのは左右に鎮座する狛犬ならぬ虎の像。

鞍馬寺の仁王門前には、左右に狛犬ならぬ阿吽(あうん)の

寅が配置されています。



鞍馬山に登ると鬼女に襲われ、毘沙門天によって助けられたのが

寅の月、寅の日、寅の刻だったためだと伝えられています。

なるほど、寅づくしというわけか。

像のデザインからすると最近の作品かもしれません。

仁王門には当然、仁王像が凛々しくおられます。

仁王像のあるお寺は1000年級の古いお寺に多く、

お寺めぐりの際の知識として持っておけば、より感慨深いです。



門を抜けて入山料をお支払いした後、

手を清めるために洗います。

手洗いの水は観音様のから注がれます。

なんだかありがたい。



鞍馬寺の本堂は山頂にあります。

当然のことながら山道を登っていかなくてはいけません。

けれど、登るのが辛い方には頂上までケーブルが走っています。

私は山道を歩きながら空気を感じたいので頑張ります。

少し坂を登ると脇道に安らぐ存在が。

大きな石を彫ったお地蔵様たちがお出迎えしてくれます。



お地蔵様のそばに脇道があります。

石段が続く。

少し立ち寄ってみると、

小さな祠が祀られています。

そばには小さな池があり、何か意味ありげ。

きりだった山肌から細い水が落ちてきています。

「放生池」と言われています。



読んで字の如く、生き物を放して生かす池。

池に生き物を放ち、善徳を積み、

滝に打たれて修行するという説明書がされているので

滝行がされた場所かもしれません。

さらに、進むと鳥居が見えてきます。

鳥居は2重。

鳥居をくぐると「魔王之碑」があります。

そこにも同じように細く落ちる滝のような水が落ちてきています。

「魔王の瀧」です。



そこにも池があり、竜の像が置かれています。

すぐそばには赤い柱の祠「鬼一法眼社」。

魔王といい、鬼といいなんともミステリアスです。

放生池から魔王の滝までは護法境(ごほうきょう)と呼ばれています。

650年前にこの地に魔王が降り立ったという伝説があるそうです。

早速のパワースポットらしい場所。

木々が空を隠し、しっとりとした感じが心地よい。

祠に手を合わせ、再び本道へ戻り山頂へ向かいます。



私の好きな神社の一つです。

鞍馬駅で飾ってあった大きな松明で行われる火祭りはここで行われます。

国家の非常時や天皇の病気の時、社前に靫を奉納し、

平安時代の940年に勅命により、

御所に祀られていた由岐大明神を平安京の北方を鎮護するために遷したのが始まりとされます。

鳥居をくぐり、石段を登っていくと古そうな木造りの門が待ち構えます。




由岐神社 拝殿がまた素敵です。

苔むしった屋根がまた味わい深い。

再び訪れたことに感謝して手を合わせます。



この神社の好きなポイントがまっすぐ伸びたご神木。

「由岐神社 願掛け杉」と言われる大杉です。

なんと樹齢約800年。

幹周6.42m、樹高53mの大木です。

境内には京都市の天然記念物に指定された杉が3本ありますが、

この杉が最も大きく、大杉社(願掛け杉)という小さな祠を抱いています。

鞍馬山の中腹でここで一休みするのがなんとも贅沢。



さて、出発。

ここから鞍馬寺への山道が待っています。


つづく

2015年 パワースポット鞍馬 その1


歴史の街京都。

様々な神社仏閣や名所の数々で国内どころか

海外の人までも魅了されています。

神秘的なパワースポットもいくつかあって、

その筆頭とも言える「鞍馬」があります。

源義経が幼少の頃「牛若丸」と呼ばれ

鞍馬山烏天狗に武術を習い修行したといわれる伝説が有名。

今回が3回目、夏の鞍馬です。

鞍馬から貴船神社までのハイキングコースをご紹介します。

京都市内からは京阪電車出町柳駅」まで移動し、

そこから叡山電鉄出町柳駅」に乗り換え

終点「鞍馬駅」を目指します。

叡山電鉄鞍馬線は京都の街中から

新緑の美しい山を巡って進んできます。



鞍馬線の見どころは何と言っても紅葉のトンネル。

山沿いには紅葉が線路の両側を囲い込み、

まるで紅葉のトンネルの中を走っているかのような景観を楽しめます。

秋には赤く染まった紅葉が美しいと評判です。

今回は夏なので赤くはありませんが、青紅葉の清々しさを堪能しました。



叡山電鉄鞍馬駅」に到着。

駅は古いお屋敷のようなただ住まいで味があります。

駅内には鞍馬にまつわる物が展示されています。

まずは赤い顔の天狗と緑の烏天狗のお面。

風鈴が優しい音色でお出迎えです。



そして、一番目をみはるのは火祭りに使われる巨大な松明。

3〜4メートルあり、細い枝木を束ねて丈夫な竹でしっかりと包んでいます。

鞍馬の火祭りは、毎年10月22日、鞍馬山にある由岐神社で行われます。

京都三大奇祭の一つ。

平安末期、祭神を京都御所から鞍馬の里に迎えた時のもようを

現在に伝えているといわれています。




22日夕、各家の門口にかがり火が焚かれ、

午後6時から子供の手松明が町を練り、

やがて武者わらじを履いた里人たちが

大松明をかついで「サイレイ、サイリョウ」のかけ声とともに町内を練り社頭に集まり

その火の粉の中を2基のみこしが渡御し壮観を極めます。

ふんどし一丁の男たちが巨大な松明に火を掲げる姿はなんとも迫力があるそうです。

まだ祭りに行ったことがないので行きたいと思っています。



駅を出たらさらにインパクト!

巨大な天狗の顔が鎮座しています。

鼻の長さ4メートルはあるかな?

鞍馬に来た!って感じがします。



鞍馬山の参道へ向かう途中はお土産や食事処が続きます。

かなり古い建物なのでちょっとしたタイムスリップした感じ。

さて、鞍馬山の山門が見えて来ました。


2015年 姫路城探訪 その5


正門を出て堀沿いに西に向かいます。

ふと見ると

昔ながら観覧船が船頭さんが竿を使って進んでいきます。

お客さんも傘をかぶり

なかなかの雰囲気。



こういう楽しみ方もあるのを初めて知りました。

そうするうちに日本庭園の入り口に到着。



入り口から抜けると

広がる池と日本庭園です。

水辺には青々した木々が彩ります。

施設も昔ながらの建屋で雰囲気を損ないません。




この庭園は好古園(こうこえん)いう名。

古地図『姫路侍屋敷図』を基に

特別史跡地の姫路城西御屋敷跡で発掘調査で

確認された西御屋敷(1618年〈元和4年〉造営)・武家屋敷等の遺構をそのまま生かして

作庭された総面積3.5ヘクタールの池泉回遊式庭園群です。

御屋敷の庭 - 西御屋敷跡に位置する本園最大の池泉回遊式庭園。

姫山原生林を借景とする。250匹の錦鯉が生息する大池は瀬戸内海の風景を表すとされています。

回遊形式なので何箇所もある庭園を楽しめるのです。



少し歩いて行くと立派な盆栽の数々。

盆栽はなかなか奥が深いし粋だなと感じます。




時代劇でおなじみの手でカラカラと縄を手繰り寄せて汲みあげる

昔ながらの井戸もあります。

昔の武家屋敷を散策するように

庭を巡り歩きます。

武士はこの道を黙々と歩き城へ通っていたのでしょうね。



庭園を出て帰宅のため駅に向かいます。

シャチホコの像に大手町通りとある通りを歩いていると

なんだか賑やかな雰囲気。

昔の遊園地のような看板があります。

ドイツビール祭り。





姫路城ではよくこうしたイベントが開かれています。

ビールとソーセージで楽しかった姫路城を想いを馳せました。


おしまい。

2015年 姫路城探訪 その4


天守閣から地上へ。

もちろん、上がってきた階段をひたすら降ります。

雲ひとつない晴天。

下から見上げたお城がまた白くまぶしい。

姫路城、実はお城だけではない話題があります。



「いちま〜い にま〜い・・・・」

恨みを抱いだ幽霊が

井戸の中からお皿を数える

夏の怪談で有名な「皿屋敷」の舞台になったのが

この姫路城の中にある井戸です。



姫路城の上山里(かみのやまさと)とよばれる広場に、

お菊井戸と呼ばれる古い井戸があります。

約450年前の室町時代中期、姫路城執権の青山鉄山(てつざん)は、

城を乗っ取ろうと、城主を増位山の花見の宴で毒殺しようと企てていました。

それを察した城主の忠臣、衣笠元信(きぬがさもとのぶ)は、

愛人であるお菊を鉄山の屋敷に奉公させて企みを探らせ、

鉄山の息子小五郎から父の陰謀を聞き出しました。

この知らせを聞いて元信は、花見の宴で城主を毒殺しようとする鉄山の陰謀を阻止することができ、

その後もお菊は、鉄山の屋敷で動向を探り続けていましたが、

鉄山の同士の町坪弾四朗(ちょうのつぼだんしろう)に気づかれてしまいます。

以前からお菊に好意を持っていた弾四朗は「黙っている代わりに自分のものになれ」とお菊に言い寄りました。

しかし、お菊はその条件を聞き入れず、弾四朗に折檻されます。

それでも強情に言うことをきかないお菊を憎らしく思うようになった弾四朗は、

ある日、お菊が預かる家宝の十枚の皿うち一枚を隠してその罪をお菊に負わせ、

ついにお菊を切り殺し庭の井戸に投げ込みました。

それからというもの夜ごと井戸の底から悲しげな女のか細い声で

「一枚、二枚、三枚、四枚、五枚、六枚、七枚、八枚、九枚・・・・・」

と皿を数える声が聞こえるようになりました。

そのお菊が投げ込まれた井戸がこのお菊井戸だと言われています。

実際の井戸はそんなに不気味なものじゃありません。




井戸を後にして、日本庭園に向かっていくと

なんと3つのシャチホコが展示されています。

明治、昭和、平成と

改装時にデザインしたシャチホコ

同じように見えても全然違います。

しかも大きい。

身長180cmある私の体格くらいはあります。

それぞれ味あります。

近年になるほど洗練された感じはします。

でも明治のシャチホコが味があって好きです。



さて、寄り道はほどほどに日本庭園へ向かいます。

つづく

2015年 姫路城探訪 その3


西の丸で家来達の生活ぶりを楽しみました。

いよいよ本丸です。


[


天守閣まで1時間30分』の看板。

大変な人気で長蛇の列です。

「この日は大変な暑さ、耐えられるだろうか?」

城碧を沿うように並びます。



すると壁に三角形の穴が。

そう、ここから鉄砲を撃つのだそうです。

やはり防御は完璧。




やっと城下へたどり着きました。

それにしても暑い。

雲ひとつない晴天です。

扇風機とミストが涼を与えてもらえます。



城下の城壁に石臼が埋められています。

「姥が石」(うばがいし)と通称される伝説の石です。

伝承によれば、羽柴秀吉黒田官兵衛から姫路を受取、

姫山に三層の天守を築いている時に、大幅な石材不足に陥ります。

その話は城下にも行き渡り、

貧しいとある老婆が石臼を秀吉に供出したところ、秀吉は大変喜び、

石臼を現在の乾小天守北側の石垣にこの石臼を使ったという話です。



城内へ入ります。

いきなり階段。

しかも当時に近い木で組まれた階段です。

高さが低くて頭がぶつかりそうになります。

お城によっては城の中はコンクリートで固め

博物館のような造りになっていて

エレベーターで登るようなところがあります。

しかし、姫路城はできるだけ当時のままにしています。

随分と登るのは大変だったことでしょう。



各階は広い板間。

説明プレートや模型があるものの、

何も置いていません。

おそらく武器や食料があったと思われる場所があります。



二階にある天守閣の実際の骨組みを

ミニチュアで再現した模型は圧巻。




天守閣へ到着しました。

中央に祭壇が祀られています。

ぐるりと窓に囲まれてお当殿様の気分で覗いてみます。





そこには白い瓦で組まれた屋根。

そして一直線に伸びた道です。

しゃちほこも見えます。


お殿様は城下を眺めながら

色々思いにふけったのでしょうね。

まさしく天下を取った気持ち。

大変ですが登った価値がありました。


つづく

2015年 姫路城探訪 その2

5年半かかった改修工事を終えて

お披露目された姫路城。

改修前は屋根瓦は濃いグレーでした。

いかにも日本の城という感じでした。



久しぶりにご対面。

「おおっ! 真っ白」

まさしく白鷺と謳われる気品のあるお城になりました。


正門に向かう橋を渡ります。

テレビ時代劇「暴れん坊将軍」で使われていた風景。




正門をくぐると

広々とした公園になっています。

芝生もあって暑い時期でなければ腰を下ろして

お城を眺めるには良い場所です。


天守閣へ向かう前に

西の丸へ向かいます。


お城ではたくさんの人々が従事していました。

西の丸はそういう人々が

働く場所でした。

石垣に長く伸びた建物。



西の丸の入り口に入ると

長い廊下が続きます。

百間廊下。

西の丸は主に従事していた女たちが働き住んでいました。

少し上り坂な簡素な板間の廊下。



低く切りそろえられた木々に

小道が巡らされいます。

戦国時代を終えて平和な時を

庭を歩きながらのどかに過ごしたんでしょうね。



廊下を抜けると

個室が続きます。

侍女などが寝起きしていた部屋。

何かあった時にすぐに向かえるようになっている仕組みです。



そうして奥へ歩いて行くと

少し様子が変わります。

お姫様の部屋「化粧燈」。

有名な千姫が生活していた部屋です。


侍女の部屋は板間でしたが

この部屋は畳。

赤い敷布を敷き詰めています。

当時かるたなどをしながら過ごしたようで

再現された人形が展示されています。



もっと広いイメージをしていましたが

案外、それほどでもなった。


さて、いよいよ本丸へ向かうことにしましょうか。

2015年 姫路城探訪 その1



シラサギが羽を広げたような優美な姿から「白鷺城」という愛称で呼ばれる姫路城。

日本で初の世界文化遺産となりました。

400年前から変わらず建ち続ける日本の宝。

改修工事が終了し、過去の資料に基づいて屋根瓦も白くなりました。


姫路城は過去、10回近く訪れたものの、

2015年の夏、真っ白に輝くお城に生まれ変わってから訪れたのは初めて。

どのようになったか? 大変楽しみです。



JR姫路駅に到着です。

新大阪から新快速で1時間ほどの旅。

駅のホームからも姫路城が望めます。

北口を出ると城へ向かう広い道路。




お城へとぼちぼち歩くのも楽しみの一つです。

どこの街にも見られるようなビル群が続きますが

所々、石垣が残っていて風情があります。



道路沿いには観光者向けのお店がちらほら。

忍者や侍へ変装できる貸衣装のお店があったりします。

憧れの忍者や侍に変装できるなんて外国人観光客にはたまらないでしょう。

でもこの猛暑にこんな衣装を着るなんて

とても考えられません。





「そういえば、この道沿いの店に武将メシというメニューがあったな…」


武将メシとは、戦国時代の文献から当時食べたであろう食膳を再現したもの。

前回は店が混んでいたため食べるのを断念しました。


「今回はどうだろう?」


探してみるとあった。

入口のメニューを拝見。





「どれどれ。豚しゃぶ梅おろしそうめん・・天ぷらそうめん・・」


どうも武将めしは企画倒れだったようだ。

しかし、少しお腹が空いている。


「ん? 姫路おでん!」


以前から食べたかったおでんが定食でいただける。

即決。

姫路おでんとは…。

姫路周辺でしか食べることのできないおでんで

お出汁で煮込んだおでんの具材を

生姜醤油につけて食べるものを姫路おでんと呼びます。





姫路おでん定食をひとつください」


表は猛暑。

季節的におでんというのもなんですが

適度にクーラーで冷えた店内なら問題なし。

そうこうするうちに膳が運ばれてきました。



おでん、ご飯、お漬物、そうめん入りのおすましというシンプルな献立。

おでんの具はごぼう天、はんぺん、たまご、こんにゃくです。

物足りなさもありますが早速いただきます。

薄味にじっくり煮込まれた具に生姜醤油でさっぱりと。


「これはいける!」


生姜がなかなか良い仕事をしています。

これで願望が叶いました。


お店を出ていざ姫路城へと向かいます。


つづく